2013年のアカデミー賞で主要11部門にノミネートされたというし、『アバター』以来の3Dの出来だというし、そしてあの『ラスト、コーション』の監督だからと、否応なしに期待させられて観に行った『ライフ・オブ・パイ』。
海の上に浮かぶ主人公を取り巻く映像はきれいだったし、虎のCGの出来映えは『ナルニア』のアスランよりも登場場面が長かっただけに(中盤以降は主人公と虎だけだし)、力入ってるなーと感心したけど、なんだかもやもやの残る作品でした。
これが初見の感想。
うーん、今年一本目に観た『レ・ミゼラブル』がまだ頭の中を駆け巡ってるのとどうしても比べてしまう。比べてしまうのは、ある意味この時期の楽しみの一つですから致し方ない。
パイは主要11部門にノミネートされてて、一方、レミゼは8部門と、この3の差は何か、何を見落としたかというわけで、レビューを検索して読んだら、アレゴリーの要素を見逃していたんだと気付く。
(以下、ネタバレあり)
パイは、ヒンドゥー、キリスト、イスラムと3つの宗教に嵌まってしまう、でも純粋に科学的な思考の主人公として描かれているのだけど、ポンディシェリの自宅で檻の中の虎を見に行って父にしかられるシーンの後、「それから世界が変わった」と回想する。
虎と一人になる前に、オランウータンやシマウマ、ハイエナとが生き残り、やがて争い合うシーンや、食べられる島とそこで見つけた歯のシーン、虎が去っていくときに泣きじゃくるシーン、そして最後に日本の保険屋さんがパイから真実を聞こうと問い詰めるシーン。
最後のくだりで、これまで見せられた映像が真実ではなく、パイの見た幻だということがはっきりと明かされる。
そりゃそうだ、食べられる島の無数のミーアキャットとか島の形とか、ファンタジーなのだもの。
メディアでの取り上げられ方や技術的な部分からファンタジー映画を見に行くような軽い感覚でいたものだから、見終わった後は淡白な印象だったけれども、後で知恵が付いたおかげで点数が上がりました。
ずばり☆4つ。
『アバター』の3Dは遠い星での出来事を描くのに必要だったのに対して、『パイ』の3Dは自然と対峙する人間の内面を描くのに必要だったんだなと。
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